オンラインでは実現できない価値

この1か月くらいで、様々なオンラインイベントが出現しました。
「ITリテラシーが低いんで」という言い訳がもはや効きません。
誰もが巻き込まれずにはいられないオンライン化の波です。
波に乗りきれないは、
isolation
社会から、ある種隔絶された存在に「なり下がって」しまう。

そして、オンライン化ゆえの変化のスピードの速さ。
日々のトレンドを把握していないと、あっという間についてゆけなくなるような恐怖。
少し大袈裟に書いていますが、ほんの1か月の出来事です。
恐らく多くの人が感じている"fear"。

実際にその中に参加してみることによって、新しい発見がたくさんあります。
「会議の意味」については、きっと誰もが考えたことでしょう。
全国から高い交通費を払って集まって話し合う意味は、実は多くない。
オンラインの会議で十分用は足ります。
それでもやっぱり集まって話そうよという場には、
きっと求めるものと参加者の意欲が違ってくるでしょう。
国際会議だって、オンラインでかなり事足りています。
定例的な会議はオンラインで行い、
特別な議論と意志の共有を必要とする場合に集まる。
おそらく、この方が効率は高くなることでしょう。
モチベーションが上がり、
参加者同士の人間関係もひょっとすると深くなるかもしれません。
オンライン会議の運用ルールとスキルをアップするという新しい技術が必要になります。

ツーリズムだって、形を変える可能性が高い。
インターネット上の情報が充実して、画像とコンテンツのクオリティーが向上すれば、
なにもわざわざそこまで行かなくても、観光は成り立ちませんか?

先日、オンライン酒蔵見学会というものに参加しました。
参加した30名くらいの参加者は、
事前に3,000円を支払って蔵のオンラインショップで1本酒を購入し、
その酒を飲みながら1時間半くらいの蔵見学会を楽しむというものです。

オペレーション上の課題は実際にたくさんありましたが、
課題を克服してコンテンツを向上させれば、仕組みとしては十分楽しい企画になると感じました。
「飲む、食べる」という基本的な条件を満たすこと。
あとは、いかにリラックスして楽しい時間を過ごすことができるかという、楽しませるコンテンツです。
蔵元がいればいいだろう、というような「オンライン飲み会」が多いのですが、
2~3回参加したら疲れてしまいます。
そこまで蔵元はスターではありません。
AKBの握手会ではありませんから。

普通は、ふらっと蔵に遊びに寄っても、売店で買い物できるくらいですが、
オンライン見学会なら、確実に蔵元から蔵についての話を聞くことができます。
どのような歴史を経て蔵が地元に根付いてきたのか。
どのような成功と失敗の歴史があるのか。
この地元でこの酒が愛されてきた理由はなにか。
これから未来に向けて、どのような蔵のなってゆきたいのか。
深い思いのたけを、蔵元の口から聞けるのは貴重な機会です。
オンライン見学会なら、その説明に合わせて写真や動画をはさむことも可能です。

オンライン見学会なら、事前に撮りためた動画を使って地元の魅力を伝えることができます。
どこで何を食べたら美味しいのか。
どこのどの景色に100万ドルの価値があるのか。
見るもの、食べるもの、泊るところ。
うわー、実際に絶対行ってみたい、と思わせる内容に仕上げることができれば、
地域のPR動画よりもずっと訴求力が強いものになること間違いありません。

オンライン見学会が充実すると、実際に来る人が少なくなってしまうのではないか。
そう考えるむきもあるでしょう。
でも、もう車は走り始めてしまいました。
そこを思い悩む前に、来た人が満足するオンラインでは実現できない価値について考えてみることです。

オンラインでは実現できない価値とは何か。
これは、この世に生きるあらゆる人が直面する命題だと思います。
頭が良くて経験豊かな人々が、みんな知恵を絞っていると思いますが、
実際に経験してみることが一番です。
自分で体験して感じたことを信頼できる人とシェアしながら、積み上げてゆくことによって、磨き上げてゆくプロセスが必要だと思います。

体験の価値。
今は動けませんが、
動けるようになったら、色々なところへ足を運んで、これからの時代における体験の価値というものを実感したいと考えています。

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