コロナの後、価値観はどのように変わるのだろう①

今、多くの人が考えているテーマだろうと思います。
答えはありませんから「わかりません」というしかないのですが、
でも、今回の体験はこれまでと大きく異なっている「異次元の体験」なので、
いつまでかかるかわからないにせよ、
いつかこの禍が過ぎ去った後に、
何事もなかったように元通りに戻るということはあり得ないと、
これも多くの人がきっと考えておられるだろうと思います。

今、在宅をしている多くの勤め人にとって、
感染の心配をする以外の心配は実は多くありません。
売上の大半が消えてしまった多くの店舗運営者はすでに苦しんでおられますが、
一方でびっくりするくらい、のほほんと時間を過ごし、
久し振りにゆっくり休むことができた、とくつろいでいる。
夫婦で散歩したりして、
美味しいテイクアウトのつまみを買って家飲みを楽しむ。
でも、
経済停滞の代償はあとから必ず私たちを襲います。
当たり前ですよね。
生産をストップし、流通をストップし、消費がストップしたのです。
お金が動かなければ給料は支払うことができません。
仕事がなければお金が入らないのは当たり前なのですが、
当座は国が国債を発行して多額の資金調達を行い、
働かない人にも給料が支払われるように最低限の保証をしているのです。
ただでさえ大きな負債を抱えた国の財政が、
さらに大きな負債を負うことになるのです。
収支をとるためには、国の収入をあげるしかありません。

いつまでかかるかわからないにせよ、
この禍が過ぎ去った後に、苦しみが訪れるはずです。
失業、増税、減収。
社会不安や治安の悪化、
保護主義的、利己主義的な各国の動き。
物資、食糧の不安も起こるかもしれません。
自然災害は、今年も日本や世界のどこかを襲うでしょう。
かつて世界恐慌が大きな世界大戦を引き起こしたように、
人々は不安のなかで暮らすことを強いられるでしょう。
悪いシナリオは簡単に描くことができます。

さて、問題はそんな近い未来の流れのなかで、
私達はどんな価値観を持って生きてゆくことを選ぶべきなのかということです。

消費が大幅に制限された生活を経験して、
私達は実はそれほど困らないことを知りました。
お金を使うことが出来ないから生活にお金がかからない。
では、いままで飲食や洋服やレジャーに使っていたお金って何だったのだろう。
私達は必要のないものやサービスに、
追い立てられるようにお金を使ってきたのではないのだろうかと、
何となくそんな気持ちになっていませんか。

これは、穴を掘れば経済が動くという
現代の経済成長を支えてきた資本主義の根本を揺るがすものです。

経済は成長しなくてはなならない。
他より早く多く成長した国が豊かになる。
その、言ってみれば強迫観念のなかで、
私達は何も考えずに豊かさを享受してきました。

その結果、環境が破壊され、ゴミがあふれ、
食料廃棄が増大し、ビルがどんどん増え。
本当にこんなにたくさんのものは必要なの?
と、うすうす感じてはいるものの、
その流れをもはや止めることはできなくなりました。
今ここでストップしたら、
中国に負ける。
韓国に負ける。
インドネシアやマレーシアにも抜かれてしまう。

でも、今回は全世界がストップしました。
人類史上、おそらく初めて、
全世界が、「神の見えざる手」によって、
一瞬にしてストップさせられてしまいました。

私達はチャンスを与えられた、と考えることはできないでしょうか。

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