2017年11月6日月曜日

コンペティションによって磨かれる日本酒の価値基準

成田空港の免税店で日本酒のプロモーションのお手伝いをした時のことです。
イギリス人の旅行者から「日本のウイスキーはどこで売っているの?」と聞かれてびっくりしました。
私のなかで、ウイスキーとはイギリスの飲み物で、ヨーロッパ土産に買って帰るものだと思っていたからです。
「日本のウイスキーは品質が高いって評判よ」
との言葉を聞いて、なるほどと頷きました。
国際的に権威あるコンペティションで世界一に選ばれたという評判が、
いつの間にか日本を訪れる外国人旅行者のなかに根付いた結果なのですね。

消費者が酒を知る術は意外に少ないものです。
自分で酒の勉強をしたり、雑誌の特集号を買ったり、
試飲会に参加したりする人は、ごく一握りの消費者に過ぎないという当たり前の事実を、
とかく業界のなかにどっぷりと浸かっている私たちは忘れがちです。
ほとんどの消費者にとって、おいしい酒の情報はマスメディアや人の噂(口コミ)を通じてしか入ってこないのです。

日本のウイスキーが世界の市場で戦えるようになった背景には、
世界的なウイスキーブームという良い流れに、
国際コンペティションで最優秀賞をとったというニュースが重なったことが大きく影響していると思われます。
このウイスキーメーカーが長年にわたって国際コンペティションに応募しながら世界に負けない品質向上を目指してきた結果が、最優秀賞の受賞に結び付くことがなかったら、
私のであったイギリス人の旅行者は、日本でウイスキーを生産していることすら知らなかったかもしれません。

世界的な日本酒の広がりという良い流れは、ウイスキーにシンクロします。
次のステップは世界の消費者の噂話になるような情報活動を行うことです。
すでに国を挙げた日本酒のバックアップ体制が整えられつつありますし、
酒造組合中央会でも非常に高いプライオリティーをもって海外戦略が繰り広げられています。

市販酒の国内外コンペティションも様々なものが現れてきました。
日本人に限らず、消費者は酒を知るための目安として権威による格付けを求めています。
新酒鑑評会のような技術審査会とは異なる、バラエティーに溢れた市販酒の価値は、
決して一律ではあり得ません。
様々な国内外のコンペティションがまず切磋琢磨することによって日本酒の価値基準が磨かれ、
真にクオリティーの高い評価とジャーナリズムに繋がってゆくことが、
世界における日本酒の価値を高め、
上質な食生活に欠かせぬ存在になることを信じています。

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