佐渡の魅力と学校蔵

7月の初旬に生まれて初めて佐渡島に行ってきました。

日本は島国ですから色々な島が点在していて、なんとなく島にはロマンを感じます。

島って、魚が抜群においしそうな気配がするし。

伊豆七島に行きたい、小豆島に行きたい、隠岐に行きたい、五島列島に行きたい、壱岐に行きたい、と妄想は常に120%広がっているのだけれど、実際に行動に移すとなるとこの島だという決め手がない。どの島も同じように魅力的に見えて、行きたくてたまらない。

優柔不断な私はひとりでは決めることができず、誰かが背中を押してくれるのを待っていたのです、結局。

仕事関係のFさんから「今田さん佐渡に行きますよ!」と半ば強引に佐渡行きの計画を突き付けられ、やっと踏ん切りがついた次第です。

 

佐渡には5つの酒蔵があって、それぞれに個性的な酒を造っています。今回は佐渡の北西部、真野の町にある真野鶴酒造を訪れました。この酒蔵は海を臨む丘の上に建つ廃校になった小学校の校舎を使って酒造り体験をすることができる「学校蔵プロジェクト」で有名です。もともとは「リキュール」製造免許で製造体験を行っていましたが、令和2年に地域活性化の目的で酒造りをすることを認める清酒特区の第1号に指定されて、晴れて清酒製造を行うことができるようになりました。

学校蔵には、海外で酒造りをする方々や国内外の熱心な日本酒ファンが多く訪れ、1週間の仕込み体験をしています。その学校蔵を今回は訪問してきました。

今年はさらに体験者の宿泊施設や見学者向けのカフェなどを新設したと聞いていたので、わくわく感満載の旅です。

 

学校蔵プロジェクトについては、様々なメディアに掲載されているので、改めて詳細を説明するのは省きます。私の印象に強く残ったのは、体験施設そのものもさることながら、この場所を酒に限らぬ様々な産学連携プロジェクトに生かしてゆこうという取組みです。

芝浦工大の研究室は木材を使った造形物を毎年この学校蔵の教室を使って製作しており、その作品は学校蔵の様々な場所に残されています。今年からは東大の研究室が学校蔵に設立されて生徒が常駐するようになるそうです。

酒造りを核として、佐渡の風土と日本海を望むこの学校蔵の立地が融合した新しい価値の創造が、ここから生まれてゆくなんて本当に素晴らしいこと。酒蔵とは酒を造るだけの場所ではなく、もっともっと地域の核として活躍する余地があるのだということを身をもって示している、まさに生きた事例がここにあります。

それこそが、「学校蔵」が次の世代まで発展してゆくための価値だと思います。

 

佐渡に定住する人がたくさんいるのだと聞きました。

どこにそんな魅力があるのか。もちろん夕日はびっくりするくらい美しく、魚は新鮮で、そして昔から多くの流入者を受け入れてきた土地柄だからこその文化の多様性と柔軟性の一端を今回の訪問で十分に感じたわけですが、もう一度ここを訪れたら、多分もっとこの島が好きになるような、そんな予感がしました。

コメント

人気の投稿